珠玉の昆虫標本-江戸から平成の昆虫研究を支えた東京大学秘蔵コレクション-

矢後勝也編 A4・166頁(展示標本全てカラー収録)

2019年 定価3,200円+税(送料サービス)

他の本の同封で送料が変わる場合はその差額を頂戴致します

内容紹介

(本書「はじめに」より)
日本の昆虫学は東京大学に端を発し、様々な学術分野や研究機関に枝分かれして今に至ります。この学問の発展には専門機関の研究者だけでなく、むしろ在野の研究者の貢献も大きいところです。その間、学術研究や教育普及のために収集され、本学に集積・寄贈されてきた昆虫標本も膨大な数に及びます。
本特別展では、東京大学総合研究博物館に収蔵されている約70万点の昆虫標本のうち、日本の昆虫研究史の源流ともいえる学術標本から現在に至るまで継続的に収集、研究されてきた秘蔵コレクション約55,711点を一挙公開しました。
この中には約200年前の江戸時代に生きた本草学者・武蔵石寿の作製による日本最古の昆虫標本、近代養蚕学の父・佐々木忠次郎やミツクリザメで知られる箕作佳吉の明治~大正期の昆虫標本、昭和初期に採集された鳥類学者の侯爵・山階芳麿やセミ博士と呼ばれた加藤正世の昆虫標本、ブータン国王陛下から贈呈されたブータンシボリアゲハ、昆虫学史上に名を連ねる五十嵐邁、江田茂、須田孫七、濱正彦、宮野浩二、白石浩次郎、石川良輔、尾本惠市、岸田泰則などのコレクションが含まれます。
これらの自然史遺産ともいえる貴重な昆虫標本を一堂に展示することで、いわば日本の昆虫博物誌を体感してもらうことを一つの趣意としています。また、これを機に多様な昆虫への幅広い興味や科学的な探究心を抱いてもらえたら幸いです。(矢後勝也)

【主要目次】
序文
ごあいさつ(諏訪 )
はじめに(矢後勝也)

1 江戸昭和初期(戦前)
武蔵石寿 日本最古の昆虫標本の作製者(矢後勝也)
佐々木忠次郎 近代養蚕学・農業害虫学の開祖(矢後勝也)
箕作佳吉 日本人最初の動物学教授(矢後勝也)
加藤正世 昆虫黄金期を築いたセミ博士(矢後勝也)
山階芳麿 山階鳥類研究所の創立者(山崎剛史)

2 昭和中期(戦後)~平成
五十嵐  蝶類幼生期研究の大家(矢後勝也)
江田  国内有数の大収集家(矢後勝也)
須田孫七 日本のファーブル(須田真一)
正彦 信州の蝶聖(矢後勝也)
宮野浩二 西多摩の博物学者(矢後勝也)
白石浩次郎 平和・トンボ資料館館長(須田真一)
石川良輔 ハチ・オサムシ研究の巨匠(矢後勝也)
尾本惠市 二刀流の東京大学名誉教授(矢後勝也)
岸田泰則 日本蛾類学会会長(矢後勝也)

3
幻の大蝶「ブータンシボリアゲハ」 ブータン国王陛下からの贈呈標本(矢後勝也)
昆虫 東京大学総合研究博物館データベース(矢後勝也)
未来に向けて(矢後勝也)

4
展示制作 立案から完成まで(矢後勝也)
会場風景

昆虫文献のトップページ

在庫のお問い合わせ・ご注文は
札幌・南陽堂書店 〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目1
電話011-716-7537 FAX011-716-5562 E-MAIL nanyodo@rio.odn.ne.jp